「同じ会社が2つ登録されている」「名前の表記ゆれで別々のレコードになってしまった」「インポートしたデータが既存のものと重複した」——Salesforceを使い続けると、重複レコードの問題は必ず発生します。
結論からいうと、Salesforceには標準の重複検出・マージ機能が備わっており、追加費用なしで重複レコードの特定と統合が行えます。加えて、重複を未然に防ぐ設定も管理者が行えます。
この記事では、重複レコードが引き起こす問題・手動マージの手順・重複検出の自動設定・重複を防ぐ運用ルールをまとめて解説します。
重複レコードが引き起こす問題
放置すると、以下のような実害につながります。
レポートの数値が狂う
同一顧客が2件に分かれているため、売上集計・顧客数が実態より多く出てしまいます。
同じ顧客にメールが二重送信される
メール配信やFlowの通知が重複して届き、顧客からのクレームにつながります。
担当者が二重対応してしまう
Aが「A社」に、Bが「A株式会社」に別々にアプローチし、二重アプローチが発生します。
情報が分散して履歴が追えない
商談・活動・ファイルが分断され、顧客の全体像を把握するのが困難になります。
方法1:手動でレコードをマージする
Salesforceには「レコードをマージ」する機能が標準で備わっています。取引先・取引先責任者・リードの3オブジェクトで利用できます。
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1マージしたい取引先(または取引先責任者)を開く まず「残す方」の取引先レコードを開きます。
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2右上の「▼」メニュー → 「重複を検索」または「レコードをマージ」を選択 Lightning Experienceでは「その他のアクション(⋮)」から選択できます。
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3マージ対象の重複レコードを検索・選択 名前や会社名でもう一方の重複レコードを検索して選びます。最大3件まで同時にマージできます。
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4残す項目をレコードごとに選択して「マージ」 電話番号はA、住所はBから取得する、といった項目単位での選択が可能です。マージ後は削除された側のレコードに紐づいていた商談・活動・ファイルはすべて残したレコードに引き継がれます。
- マージは元に戻せません。削除される側のレコードは完全に消えます
- マージ前にCSVエクスポートで両レコードのデータをバックアップしておくことを強く推奨します
- 取引先のマージには「取引先のマージ」権限が必要です。権限がない場合は管理者に依頼します
- カスタムオブジェクトに紐づく子レコードの移行はオブジェクトの設定によります。事前に確認しましょう
方法2:重複検出ルールで自動検知・警告する
管理者が「重複検出ルール」を設定しておくと、新規レコードの登録時や既存レコードの編集時に重複候補を自動的に警告・ブロックできます。
設定 → クイック検索で「マッチングルール」と入力 → 取引先・取引先責任者・リードのルールを確認します。
標準マッチングルールが用意されており、「会社名の類似度」「メールアドレスの完全一致」などの条件で重複候補を検出できます。まず標準ルールを有効化しましょう。
設定 → 「重複検出ルール」→ 取引先・取引先責任者・リードのルールを有効化します。
アクションを「警告(登録は可能)」または「ブロック(登録不可)」から選べます。まずは「警告」から始めて、現場の運用に慣れてからブロックを検討するのが無難です。
重複検出ルールが有効になると「重複レコードセット」が自動作成されます。レポートタイプ「重複レコードセット」を使って月1回程度のチェックリストを作ると、重複の蓄積を防げます。
重複を生まない——運用ルールの設計
機能だけでなく、入力ルールを組織で統一することが根本的な解決策です。
まとめ
- 重複は放置すると「レポートの誤集計・二重対応・履歴の分断」という実害につながる
- 手動マージは最大3件を同時統合できる——項目単位で残す値を選べる。マージは元に戻せないのでバックアップ必須
- 重複検出ルールを有効化すると登録時に警告・ブロックできる——まず「警告」から始めるのが安全
- 根本対策は「入力前の検索習慣」と「会社名の表記ルール統一」
- 四半期に1回の重複棚卸しをルーティン化すると、データ品質を高い水準で維持できる
Salesforceのデータ品質は、レポートや自動化の精度に直結します。重複整理は地味な作業ですが、一度クリーンな状態を作ると営業活動の効率が目に見えて上がります。まず重複検出ルールの有効化から始めてみましょう。