「Salesforceのデータを定期的にバックアップしておきたい」「全件の取引先データをCSVで取り出したい」「Excelで分析するために商談データを一括エクスポートしたい」——こうしたニーズに対応する方法は、Salesforceには複数用意されています。
結論からいうと、CSVエクスポートには主に3つの方法があり、用途と取得したいデータ量に応じて使い分けることが大切です。レポートからの簡易エクスポート・データエクスポートサービス・Data Loaderの3つを状況に合わせて選びましょう。
この記事では、それぞれの方法の手順・向いている用途・注意点を整理して解説します。
3つのエクスポート方法の比較
| 方法 | 取得できるデータ | 上限 | 難易度 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
| レポートからエクスポート | レポートで表示している項目 | 2,000行(画面) ※エクスポートは全件 |
かんたん | 分析・会議資料・社内共有 |
| データエクスポートサービス | 組織内の全オブジェクトの全項目 | 制限なし(全件) | 中級 | 定期バックアップ・全件取得 |
| Data Loader | 指定したオブジェクトの全項目 | 最大500万件 | 上級 | 大量データの抽出・他システム連携 |
中小企業の日常業務では「レポートからのエクスポート」で9割の用途が賄えます。定期バックアップや全件抽出が必要になったときに「データエクスポートサービス」を使う、という使い分けが現実的です。
方法1:レポートからエクスポート(最も手軽)
特定のオブジェクト(取引先・商談など)のデータをExcel・CSV形式で取り出す最もシンプルな方法です。
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1エクスポートしたいデータのレポートを作成・開く 「レポート」タブから対象レコードのレポートを選択します。まだレポートがなければ新規作成します。
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2右上「▼」メニュー → 「エクスポート」を選択 「Excelで表示可能な.csv形式(BOM付き)」または「.xlsx形式」を選ぶと日本語の文字化けを防げます。
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3ダウンロードされたファイルをExcelで開いて活用する ダウンロード後、ピボットテーブル作成・フィルタリング・別システムへのインポートなどに利用できます。
- 1回あたりエクスポートできるのは最大256列・200万行まで(実用上は問題になりません)
- レポートに含まれている項目のみエクスポートされます。全項目を取得するにはレポートに全列を追加する必要があります
- ファイル・添付書類などのバイナリデータはエクスポートされません
方法2:データエクスポートサービス(全件バックアップ向け)
Salesforceの設定画面から、組織全体のデータを一括でZIPファイルにエクスポートする機能です。契約・解約時のデータ保全や定期バックアップに適しています。
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1設定 → クイック検索で「データエクスポート」と入力 「データエクスポート」メニューを開きます。システム管理者権限が必要です。
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2「今すぐエクスポート」または「スケジュール設定」を選択 今すぐ取得する場合は「今すぐエクスポート」。毎週・毎月の自動エクスポートを設定する場合は「スケジュール設定」を選びます。
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3エクスポートするオブジェクトにチェックを入れて「開始」 取引先・商談・取引先責任者など、バックアップが必要なオブジェクトをすべて選択します。「すべてのデータを含める」にチェックを入れると全オブジェクトを選択できます。
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4処理完了メールが届いたらダウンロードリンクからZIPをDL ZIPを解凍すると、オブジェクトごとのCSVファイルが格納されています。ダウンロードリンクは48時間で失効します。
- エクスポートできる頻度に制限があります(Professionalは29日に1回、EnterpriseとUnlimitedは7日に1回)
- データ量が多い場合、エクスポートの完了まで数時間かかることがあります
- ダウンロードリンクの有効期限は48時間です。期限切れ前に必ずDLしましょう
- エクスポートされるCSVのID列(Salesforce内部ID)は、再インポート時のマッピングに必要です。削除せずに保管しましょう
エクスポートしたデータの主な活用シーン
定期バックアップ
月次・週次でエクスポートして社内サーバーやクラウドストレージに保管します。誤削除や操作ミス時のデータ復元に備えられます。
Excelでの高度な分析
全件データをExcelに取り込み、ピボットテーブルやVLOOKUPを使った複雑な分析を行います。Salesforceのレポート機能では難しい集計も可能です。
他システムへのデータ連携
会計ソフト・MAツール・ERPなどSalesforceと連携していないシステムにデータを渡す際に、CSVを経由します。
解約・移行時のデータ保全
Salesforceを解約・別システムに移行する際に、蓄積した顧客・商談データを完全な形で取り出します。解約前に必ず実施しましょう。
Data Loaderについて(上級者向け)
Data Loaderは、Salesforceが無料提供するデスクトップツールで、大量データ(最大500万件)の抽出・インポートができます。SOQLクエリを使って条件指定した抽出も可能なため、システム管理者や開発者向けの機能です。
- 50万件以上の大量データを一括エクスポートしたい
- SOQLで条件指定した高度な抽出をしたい(例:「過去6ヶ月以内に更新された商談のみ」)
- 添付ファイルのメタデータも含めて抽出したい
- 定期バッチ処理として自動エクスポートを組みたい(コマンドラインで実行可能)
中小企業の日常業務ではData Loaderが必要になるケースは少ないです。まずはレポートエクスポートとデータエクスポートサービスを使いこなすことを優先しましょう。
まとめ——用途別の使い分け早見表
- 分析・会議資料・少量データ → レポートエクスポート:数クリックで完結。日常業務の9割はこれで対応できる
- 全件バックアップ・解約前のデータ保全 → データエクスポートサービス:設定画面から全オブジェクトを一括でZIPダウンロード。月1回の定期実施を推奨
- 大量データ・条件指定の高度な抽出 → Data Loader:上級者向け。IT担当者や外部サポートと連携して実施
- CSVの文字化けはBOM付きUTF-8形式を選ぶか、ExcelのデータインポートでUTF-8を指定して回避できる
- エクスポートしたCSVには社内の個人情報が含まれる場合があるため、保管・共有には適切なアクセス管理を
データは蓄積するだけでなく、取り出せることが重要です。定期的なバックアップの習慣と、目的に合ったエクスポート方法を身につけておくと、Salesforceの活用の幅が広がります。