「Sales CloudとService Cloudの違いが分からない」「うちの会社はどちらを使えばいいのか」——Salesforceの検討・導入時にもっともよく聞かれる疑問のひとつです。

結論からいうと、Sales Cloudは「新規顧客の獲得・商談管理」に特化し、Service Cloudは「既存顧客のサポート・問い合わせ対応」に特化した製品です。自社のビジネスが「売ること」を重視するのか「サポートすること」を重視するのかで、選ぶべきクラウドは変わります。

この記事では、2つの製品の機能・価格・向いている業種の違いを整理し、中小企業がどちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。

Sales CloudとService Cloudの基本的な違い

📈

Sales Cloud

  • 目的:新規顧客の獲得・営業活動の効率化
  • 中心機能:リード管理・商談管理・パイプライン
  • 主なユーザー:営業担当者・営業マネージャー
  • KPI:受注率・商談数・売上目標達成率
  • 向いている企業:BtoB営業・受注型ビジネス
🛎️

Service Cloud

  • 目的:顧客からの問い合わせ対応・サポート品質向上
  • 中心機能:ケース管理・オムニチャネル・知識ベース
  • 主なユーザー:カスタマーサポート・コールセンター
  • KPI:解決率・対応時間・顧客満足度(CSAT)
  • 向いている企業:サポート業務がある製品販売・SaaS・サービス業

一言でいえば、Sales Cloudは「売る前」のプロセスを管理し、Service Cloudは「売った後」のプロセスを管理するツールです。どちらも「顧客管理」という共通の基盤を持ちながら、その先の機能が異なります。

主要機能の比較

機能 Sales Cloud Service Cloud
取引先・取引先責任者管理
リード(見込み客)管理
商談・パイプライン管理
見積書・承認フロー
ケース(問い合わせ)管理 △一部
オムニチャネル(電話・チャット・メール統合)
知識ベース(FAQ・ナレッジ)
SLAとエスカレーション管理
フロー・自動化
レポート・ダッシュボード
モバイルアプリ

価格の比較(2026年時点の目安)

プラン Sales Cloud Service Cloud
Starter Suite 約3,000円/ユーザー/月 約3,000円/ユーザー/月
Pro Suite 約9,600円/ユーザー/月 約9,600円/ユーザー/月
Enterprise 約19,800円/ユーザー/月 約19,800円/ユーザー/月
Unlimited 約39,600円/ユーザー/月 約39,600円/ユーザー/月

価格は同一プランであればほぼ同額です。つまりどちらを選ぶかはコストではなく「どの機能が必要か」で決まります。両方必要な場合は、Enterprise以上のプランで両クラウドを組み合わせる構成が一般的です。

中小企業はどちらを選ぶべきか——判断基準

📈
Sales Cloudを選ぶべきケース 営業担当者がいて見込み客から受注まで追いかけるBtoB営業がメインの場合。「商談を増やして売上を伸ばしたい」という課題が中心であれば、Sales Cloudが直接刺さります。製造業・卸売業・建設業・人材業など、無形・有形を問わず「売ること」が主業務の企業に向いています。
🛎️
Service Cloudを選ぶべきケース 製品やサービスを販売した後の問い合わせ対応・修理・クレーム処理が多い企業。「顧客サポートの質と速度を上げたい」「コールセンターや問い合わせ窓口を効率化したい」という課題が中心の場合に適しています。SaaS・機器販売・設備管理・医療周辺サービスなどに向いています。
🔄
両方必要なケース(よくある中小企業の現実) 実は中小企業の多くは「営業もサポートも同じ担当者がやっている」状況です。この場合、まず Sales Cloudで顧客・商談管理の基盤を作り、問い合わせ対応の課題が大きくなった段階でService Cloudを追加するのが現実的な段階的アプローチです。

「Starter Suite」を使っている場合の注意点

⚠ Starter SuiteはSales CloudとService Cloudの両方の基本機能を含む

Starter Suite(旧Essentials)は、Sales CloudとService Cloudの基本機能が一体になったプランです。「商談管理もケース管理も両方使える」ため、機能を試しながらどちらの課題解決に重きを置くかを決める入り口として適しています。機能が不足したらPro SuiteやEnterpriseへのアップグレードを検討しましょう。

まとめ

Sales Cloud vs Service Cloud——選び方のまとめ
  • Sales Cloud:リード→商談→受注の「売るプロセス」を管理したい営業型企業向け
  • Service Cloud:問い合わせ・ケース対応の「サポートプロセス」を効率化したいカスタマーサポート型企業向け
  • 価格は同一プランでほぼ同額——コストではなく「解決したい課題」で選ぶ
  • 中小企業の多くはまずSales Cloudで基盤を作り、サポート業務の課題が大きくなったらService Cloudを追加するのが現実解
  • Starter Suiteは両方の基本機能を含むので、まず試してから判断することも有効

「どちらを選べばいいか分からない」と感じたら、自社の課題を「売上を伸ばしたい」か「サポートを改善したい」かに絞って考えると答えが見えてきます。どちらの課題も同程度あるなら、営業側から着手するのが多くの中小企業にとって効果の出やすい順番です。