「Sales CloudとService Cloudの違いが分からない」「うちの会社はどちらを使えばいいのか」——Salesforceの検討・導入時にもっともよく聞かれる疑問のひとつです。
結論からいうと、Sales Cloudは「新規顧客の獲得・商談管理」に特化し、Service Cloudは「既存顧客のサポート・問い合わせ対応」に特化した製品です。自社のビジネスが「売ること」を重視するのか「サポートすること」を重視するのかで、選ぶべきクラウドは変わります。
この記事では、2つの製品の機能・価格・向いている業種の違いを整理し、中小企業がどちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。
Sales CloudとService Cloudの基本的な違い
Sales Cloud
- 目的:新規顧客の獲得・営業活動の効率化
- 中心機能:リード管理・商談管理・パイプライン
- 主なユーザー:営業担当者・営業マネージャー
- KPI:受注率・商談数・売上目標達成率
- 向いている企業:BtoB営業・受注型ビジネス
Service Cloud
- 目的:顧客からの問い合わせ対応・サポート品質向上
- 中心機能:ケース管理・オムニチャネル・知識ベース
- 主なユーザー:カスタマーサポート・コールセンター
- KPI:解決率・対応時間・顧客満足度(CSAT)
- 向いている企業:サポート業務がある製品販売・SaaS・サービス業
一言でいえば、Sales Cloudは「売る前」のプロセスを管理し、Service Cloudは「売った後」のプロセスを管理するツールです。どちらも「顧客管理」という共通の基盤を持ちながら、その先の機能が異なります。
主要機能の比較
| 機能 | Sales Cloud | Service Cloud |
|---|---|---|
| 取引先・取引先責任者管理 | ● | ● |
| リード(見込み客)管理 | ● | — |
| 商談・パイプライン管理 | ● | — |
| 見積書・承認フロー | ● | — |
| ケース(問い合わせ)管理 | △一部 | ● |
| オムニチャネル(電話・チャット・メール統合) | — | ● |
| 知識ベース(FAQ・ナレッジ) | — | ● |
| SLAとエスカレーション管理 | — | ● |
| フロー・自動化 | ● | ● |
| レポート・ダッシュボード | ● | ● |
| モバイルアプリ | ● | ● |
価格の比較(2026年時点の目安)
| プラン | Sales Cloud | Service Cloud |
|---|---|---|
| Starter Suite | 約3,000円/ユーザー/月 | 約3,000円/ユーザー/月 |
| Pro Suite | 約9,600円/ユーザー/月 | 約9,600円/ユーザー/月 |
| Enterprise | 約19,800円/ユーザー/月 | 約19,800円/ユーザー/月 |
| Unlimited | 約39,600円/ユーザー/月 | 約39,600円/ユーザー/月 |
価格は同一プランであればほぼ同額です。つまりどちらを選ぶかはコストではなく「どの機能が必要か」で決まります。両方必要な場合は、Enterprise以上のプランで両クラウドを組み合わせる構成が一般的です。
中小企業はどちらを選ぶべきか——判断基準
「Starter Suite」を使っている場合の注意点
Starter Suite(旧Essentials)は、Sales CloudとService Cloudの基本機能が一体になったプランです。「商談管理もケース管理も両方使える」ため、機能を試しながらどちらの課題解決に重きを置くかを決める入り口として適しています。機能が不足したらPro SuiteやEnterpriseへのアップグレードを検討しましょう。
まとめ
- Sales Cloud:リード→商談→受注の「売るプロセス」を管理したい営業型企業向け
- Service Cloud:問い合わせ・ケース対応の「サポートプロセス」を効率化したいカスタマーサポート型企業向け
- 価格は同一プランでほぼ同額——コストではなく「解決したい課題」で選ぶ
- 中小企業の多くはまずSales Cloudで基盤を作り、サポート業務の課題が大きくなったらService Cloudを追加するのが現実解
- Starter Suiteは両方の基本機能を含むので、まず試してから判断することも有効
「どちらを選べばいいか分からない」と感じたら、自社の課題を「売上を伸ばしたい」か「サポートを改善したい」かに絞って考えると答えが見えてきます。どちらの課題も同程度あるなら、営業側から着手するのが多くの中小企業にとって効果の出やすい順番です。