「受注後の発注メールを、毎回手で書いている」——こういう話を聞くと、改善の余地が大きいと感じます。一件一件は小さな作業でも、件数が増えると無視できない工数になるからです。

この記事では、住宅リフォーム会社で受注後の発注業務をSalesforceで自動化した事例を紹介します。Gmailでの手動メール作成と転記作業がなくなり、複数の仕入先への注文書メールが自動送信される仕組みを約2ヶ月で構築しました。

支援の概要

業種
住宅リフォーム会社
課題
受注後の発注メールをGmailで毎回手動作成。内容をSalesforceへ手動転記。納期確認のフォローも手動
支援内容
Salesforceから複数仕入先への発注メール自動送信・納期未回答時の催促メール自動化
期間
約2ヶ月
主な成果
メール作成・転記作業がゼロに

導入前の状況:受注のたびに3つの手作業が発生していた

この会社では、顧客からの受注が決まると、担当者が次の3つの作業を手作業で行っていました。

▼ 導入前の発注業務フロー
1
Salesforceで受注内容を確認
案件ページを開き、発注に必要な品番・数量・納期・仕入先を確認する
2
Gmailを開いて発注メールを手動作成
仕入先ごとにメールを書き起こす。件名・本文・品番・数量・希望納期をすべて手入力。複数の仕入先がある案件では、その数だけ繰り返す
3
発注内容をSalesforceへ転記
送信したメールの内容(発注日・発注先・品番・数量など)をSalesforceに手動で入力する
4
納期回答のフォローを手動で実施
仕入先から納期の返答がない場合、担当者が自分でリマインドメールを送る。返答が来ているかの確認も手作業

💡 1件の受注に対して、複数の仕入先がある場合はメール作成と転記がその分だけ繰り返されます。件数が多い日は、発注業務だけで相当な時間がかかる状態でした。

何が問題だったのか

手作業が多いと、必ず「抜け漏れ」と「ミス」が生まれます。この会社でも、次のような問題が発生していました。

▼ BEFORE(導入前)
  • メール作成のたびに品番・数量を手入力するためミスが起きる
  • Salesforceへの転記漏れが発生する
  • 納期回答の催促を忘れることがある
  • 発注状況の全体像が把握しにくい
  • 担当者が不在のとき、発注状況がわからない
▼ AFTER(導入後)
  • 発注情報はSalesforceへの1回の入力で完結
  • 仕入先別のメールが自動生成・自動送信
  • 転記作業が不要(Salesforceが正の情報源)
  • 納期未回答の催促メールが自動送信
  • 発注状況がSalesforce上でリアルタイムに確認できる

構築した仕組みの概要

支援では、Salesforceのフロー(Flow)機能を活用して、発注業務を自動化する仕組みを構築しました。

▼ 導入後の発注業務フロー
1
Salesforceに発注情報を入力して確定
品番・数量・希望納期・仕入先をSalesforceに入力し、発注確定ボタンを押す。これだけで次以降が自動で動く
2
仕入先ごとの発注メールが自動送信自動
Salesforceに登録された仕入先のメールアドレスに、品番・数量・希望納期が入った発注メールが自動で送信される。複数仕入先がある案件では、それぞれの仕入先に個別のメールが自動で振り分けられる
3
納期未回答の催促メールが自動送信自動
発注から一定期間が経過しても仕入先から納期回答がない場合、催促メールが自動で送信される。担当者が手動でフォローする必要がなくなった
4
発注状況をSalesforceで一元把握
全案件の発注状況(発注済み・納期回答待ち・納期確定)がSalesforce上でリアルタイムに確認できる
▼ 自動化のポイント
  • Salesforceのフロー(Flow)で発注確定をトリガーにメール送信を自動化
  • 仕入先マスタと連携し、複数仕入先への個別メールを自動振り分け
  • 発注メールの本文テンプレートをSalesforceで管理し、品番・数量・納期を自動差し込み
  • 納期回答フラグが立っていない発注を検知して催促メールを自動送信

変わったこと

① メール作成・転記作業がゼロになった

Salesforceへの入力が「唯一の作業」になり、Gmailを開く必要がなくなりました。複数の仕入先がある案件でも、入力は1回で完了します。各仕入先へのメールはSalesforceが自動で振り分けて送信するため、件数が増えても担当者の作業量は変わりません。

② 転記ミスと催促漏れがなくなった

手動転記が不要になったため、入力ミスの発生源そのものがなくなりました。納期未回答の催促もシステムが自動で行うため、「催促し忘れ」による納期遅延のリスクが解消されました。

③ 発注状況の全体像がいつでも見えるようになった

以前は担当者に確認しないと発注状況がわかりませんでした。Salesforce上で全案件の発注状況をリアルタイムに確認できるようになり、管理者が状況を把握するための確認作業が不要になっています。

この事例から学べること

この自動化で重要だったのは、「Salesforceをデータの起点にする」という設計です。

以前の運用では、SalesforceとGmailという2つのツールをまたいで同じ情報を扱っていました。Salesforceを見てGmailでメールを書き、送ったらSalesforceに転記する——この「往復」が工数とミスを生む構造でした。

Salesforceを情報の起点に据えることで、「Salesforceに入力したら、あとは自動で動く」という流れになります。担当者はSalesforceだけを見ればよい状態になり、ツールをまたぐ手間が完全になくなりました。

💡 「同じ情報を複数の場所で扱っている」業務は、Salesforceを起点にした自動化が特に効果を発揮します。転記・コピー・確認の往復をなくすことが、業務効率化の核心です。

リフォーム会社に限らず、受注後の発注業務を手動で行っている会社は多くあります。業種を問わず、「受注→発注→納期管理」の流れをSalesforceで一元化することで、同様の改善が見込めます。